わたしができるグリーフケア

お悔やみの言葉。グリーフケアの言葉。

ご逝去のすぐあとにかける言葉は、調べることができます。

「ご愁傷様です」
「お悔やみ申し上げます」

ご逝去の連絡をもらったときや、お葬式で顔を合わせるとき、会話の中にお悔やみの言葉をどんなふうに入れていけばいいのか。
重ね言葉などの忌み言葉を避けること。直接的な表現や、具体的すぎる表現に気を配ること。

このタイミングでの情報は、探せばたくさん見つかります。

お葬式という区切りの場で、相手はご遺族。
今は悲しみの時間なんだ、ということ。

そこでは、言葉や所作、立ち振る舞いにも一定の型があります。基本をおさえておくことで、悲しみの中にいる方への言葉になります。

でも、しばらくたって、また会うときはどうでしょうか。

忌引きが終わって、学校や仕事で顔を合わせるとき。日々の生活で、いつものように会ったり、連絡したりするとき。

お葬式が終わってからの日常の中でも、その人の死別は終わったわけではありません。

普通に見えても、そうとは限りません。
いつも通りにしていても、笑って話していても、心の中には別の時間が流れていることがあります。
いつも通りに過ごすことで、その日を乗り越えていることもあります。

悲しみは、涙だけではなく、いろいろな形で表れます。怒っているように見えることもあります。なにも言えずにいることもあります。

誰がどう悲しいのかは、外からはわかりにくいものです。

悲しみの上書きに気をつける

お葬式が終わって顔をあわせるとき、何か言わなければ、と思うことがあるかもしれません。

でも、その言葉が、相手の悲しみより前に出てしまうことがあります。

寄り添うつもりの言葉でも、本人が話す前に言ってしまうと、
「そういうことにされてしまったんだな」と感じてしまうことがあります。

「泣かないで」
「元気な顔を見せてね」
「前を向いて」
「時間が解決するよ」

思いやりから出た言葉かもしれません。
でも、まだ整理がついていないのに、これからどうすればいいのかを先回りする言葉になってしまうこともあります。
支えるつもりの言葉が、その人を傷つけてしまうことがあります。

何を感じているのか。
何を聞いてもらいたいのか。
もしかしたら、何も話したくないのかもしれません。

その人が語るなら、聞く。
話さないなら、そのままで一緒にいる。
返事がひとことなら、ひとことを大事に受け取る。

ここにいる。
それだけで十分なこともあります。

「またね」
「何かあったら、何もなくても連絡してね」

今このときだけで終わらせず、次に続く余白を残すことも、日常の中でできるグリーフケアです。

近くにいる人だからできること

グリーフは、心だけでなく、身体や生活にも表れると言われています。眠ることや食べること。体調の変化。今までできていたことがいつも通りにはできない。

そんなとき、身近な人だからこそできるグリーフケアがあります。

買い物を手伝ったり。
食事を届けたり。
手続きに付き添っていったり。
必要なときに、相談先や連絡できる人を一緒に考えることもできます。

こんな小さなことが?と思うかもしれません。
でも、身近な支えは大切なグリーフケアです。

つらそうなグリーフも、その人に必要な時間なのかもしれません。

元気にしたり、前を向いてもらおうとしたり、前のその人に戻そうとすることが、いつも支えになるとは限りません。

悲しみがそこにあることを、なかったことにしない。
その人が何を失ったのかを、勝手に決めない。
言葉にできない時間があることを、そのまま受け取る。

グリーフケアは、そこから始まるのかもしれません。

最終更新日 2026/07/05